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Ship John Stories Volume: 02
My Favorite Knives. 〜愛用する「スタンレー299」
質実剛健なモノづくりに定評のあるシップジョン。ブランドを率いるマイク・イライアスのハンドクラフトは独学で技を磨き上げ培ったもの。だから道具選びにも並々ならぬ審美眼がある。
今回は創業当時から愛用するクラフトマン・ギアについて──。
Mike Elias / マイク・イライアス
全米をワーゲンバスで旅した後、多くのインスピレーションを受けたオレゴン州ポートランドに移住。独学でパターンメイキングを学び、2006年にSHIP JOHNを創業。ブランドの名称は、マイクのホームタウンであるアメリカ・ニュージャージー州に旧くからある、美しい灯台の名から取られている。
私がスタンレー299を愛用するようになったのは、何かを製作するうえで必要に迫られてのことでした。私のレザーワークはすべて独学で行われ、正式なトレーニングもなく、とにかく色々と試してみるしかありませんでした。わずかな資金で会社を立ち上げた為、レザーツールに高品質なものを求めると非常に高価だったので、私の初期の学習は、エステートセールやヤードセールで偶然見つけたツールを使って費やされました。
スタンレー299もその一つです。ドライウォールなどの建築に使う一般的なカッターナイフです。革に夢中になった当初は、厚いベジタブルタンニンなめしの革を切るために、身近にあったこのナイフを手に取っていました。そして革細工が上達し、より複雑なデザインを作るようになると、スタンレー299で革をカットする技術も同じ様に向上しました。