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Ship John Stories  Volume:04

Moving on from Interstate to a new era for Ship John

ハンドクラフトによる質の高いレザーアイテムやキャンバス生地を使ったタフなアイテムが世界中から人気を集めたことにより、シップジョンのモノづくりの規模をさらに拡大していくマイク・イライアス。

そんな時こそ、不思議な人との縁や巡り合わせで、人生は新たなステージへと繋がっていく──。

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Mike Elias / マイク・イライアス

全米をワーゲンバスで旅した後、多くのインスピレーションを受けたオレゴン州ポートランドに移住。独学でパターンメイキングを学び、2006年にSHIP JOHNを創業。ブランドの名称は、マイクのホームタウンであるアメリカ・ニュージャージー州に旧くからある、美しい灯台の名から取られている。

 ウィルスジャケットのデザインと最初のリリースを終えた後、ジャケットのみならず全ての製品への需要が増え始めました。この時点で私は一人で全ての作業を行っていたため、抱えた仕事量を処理することに無理が生じて来ていたのです。正式なパターン製作の経験がなかった私は、多くの人々から購入の申し出を受けていたウィルスジャケットのパターンやグレーディングを完成させるため、周囲に助けを求め始めました。そして何人かの友人を介し、私はスティーブン・ハードという人物に繋がりました。

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マイク・イライアスのホームタウンであるアメリカ・ニュージャージー州に旧くからある灯台、「Ship John Shoal Lighthouse」。ブランド名の由来でもあるその美しい灯台の佇まいはブランドのキービジュアルにも使われている

 スティーブンはリーバイスでの長いキャリアを含め、この分野で30年の経験を持つベテランのパタンナーでした。その頃、彼はサンフランシスコでクリントン・パークという会社を経営しており、パターンやデザインの製作を私のようなデザイナーから受託していたのです。(余談ではありますが、リーバイス時代の彼は日本に住みながら重責な仕事をしていた経験もあります)

 電話で何度もやり取りした後、スティーブンはウィルスジャケットのパターンを改良して、より生産しやすく、フィット感やディテールを私が望んだ通りにしてくれました。彼のおかげでこのジャケットを生産するという夢が現実味を帯びてきたのです。この様なサンプル製作の対話を通じて、スティーブンと私は良い友達になり、一緒にシップジョンをやらないかという話もするようになりました。はじめは互いに冗談として言っていたことが、2018年初めに現実のものとなり、スティーブンは自身のショップをサンフランシスコからポートランドに移し、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア・ブルーバードにある私の新しいショップと統合しました。

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​マイクが最初に立ち上げたアトリエである小さな納屋から、インターステート・アベニューにある旧い倉庫を経て、新たに辿り着いた新天地。1921年に建てられた旧ビル内に工房を構え、製品のほとんどを自社の工房にて製作している。

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 新しいショップは州境から大きくステップアップし、スティーブンとの新しいビジネスコラボレーションは私たちの製品ラインナップを拡大するための大きな扉を開きました。引っ越してすぐに仕事に取り掛かり、夢のようなレザーショップと美しい縫製フロアを作り上げました。また、ショップ内に小さなショールーム兼販売スペースを併設することができたのも初めてのことでした。スティーブンの専門知識と新しい作業スペースのおかげで、私たちはウエアのラインナップを大幅に拡大することができたのです。

                                                        Mike Elias

マイクと運命的な巡り合わせにより、2018年にシップジョンへ参画。ブランドが展開する製品のパターンメイキングから裁断、縫製に至るまでマルチにこなし、時には人事から給与計算、そしてブランドの全体計画、たまに悪ふざけ(!?)まで携わるというスティーブン・ハード。カリフォルニア州サンフランシスコで生まれ育ち、過去にはリーバイス社にてキャリアを長年積んできた、マイクのモノづくりを支える良き理解者だ。ちなみに好きなワックスキャンバスの色はTANだそう。

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